ピースボート第93回クルーズは、南半球を船でめぐった世界一周の旅。本シリーズ「ピースボートの旅ブログ」では、仲間とともに船上生活や寄港地トリップを楽しんだパッセンジャーが、世界に飛び込み、自分の目で見て、こころで感じたあれこれを綴ります。
まつりこと祭灯俊龍さんは、航空機の整備士の仕事を退職し、「この1年はとにかく海外に行きたい」という最初の旅にピースボートクルーズを選びました。やりたいこと基準でお金を稼ぐライフスタイルを目指し、第93回クルーズではやりたいことのひとつでもある「文章を書くこと」にチャレンジしています。
船を離れ、個人旅行でイグアスの滝へ
ピースボートに乗って初めてした一時離脱。一時離脱とは、寄港地で船を降りたあと、次やその次の寄港地までの期間下船して、自分たちの力で陸路や空路の旅をすること。そうすることで船が港で停泊しているうちに往復できない目的地を目指して旅ができる。
僕らが離脱した目的は、世界3大瀑布の1つイグアスの滝の観光だった。
イグアスの滝は幅が広いことから名瀑に選ばれた滝で、ブラジルからアルゼンチンにかけて広がっている。そのイグアスの滝に向かう途中、地元のツアー会社の方からおすすめされたのが、ブラジル側イグアスの近くにある「Parque das Aves」。英語でいうと「バードパーク」で、ブラジルに生息している鳥がたくさん飼育されていて楽しめると聞いて向かうことにした。
日本ではペットショップや小鳥屋さんでしか見たことがない、南半球らしさ満点の極彩色の鳥たちを一挙に紹介したい。
トキ
日本にいるトキと並べたら目立つこと間違いなしの真っ赤なトキ。色の濃さは、有名なフラミンゴ以上なんじゃないかと思うほど、鮮やかな赤が美しい。人が近づいても気にせず必死に水浴びをしている顔が、本気すぎて可愛かった。
オウム
赤いトキに引けをとらない鮮やかなオウム。上の写真の2匹のオウムは、カップルなのか、仲良く頭をくっつけ合ってずっとイチャイチャ見せつけていた・・・と思ったら、左のオウムが右のオウムの頭の羽毛を何度も引っこ抜いていてびっくり。ハゲワシスタイルが流行なのか!?
アフリカンサバナー
一方こちらは一見ツルにも見えるが奇抜なヘアースタイルのアフリカンサバナーという鳥。丸坊主にする鳥もいればボンバーにするのもいるということか。首から胸元にかけての艶っぽくドレープ感のある羽や、頭からつま先までモデルばりにスタイリッシュなアフリカンサバナー。いつの日か、レディーガガがマネするかもしれない。
フラミンゴ
きた!本場のフラミンゴ。間近で見ると、L字にグイッとまがった大きなクチバシと小さな瞳はアンバランスで、「美しい」というより「ブサ可愛い」と思ってしまった。
キュラソー(ホウカンチョウ)
続いて向かったのはキュラソー(ホウカンチョウ)と呼ばれる鳥達のエリア。色んな種類のキュラソーが自由に歩いている檻の中に自分たちも入って間近で観察することができる。まるっとした体に凛々しい顔つき、アクセントに赤いノド。堂々とした姿がかっこいい。
おしり好きにはたまらないこの1枚!ナイスおしり!良いもこもこです!
トゥッカーノ・トコ
さらに奥に進むとついに遭遇!!ブラジルの国鳥トゥッカーノ・トコ!国鳥になるのも納得の素敵な色使いと、体くらい大きくてかわいいクチバシのシルエット。
バナナをクチバシの先で器用につかんだあと頭を上向きにして口にバナナを落として食べていた。
下の写真は、一瞬トゥッカーノ・トコに見間違えたかわいい見た目のトゥッカーノ・デ・ビコ・ヴェルデ。
しかしやることは可愛くなく、近くにいた2歳くらいの女の子からビスケットをうばいとって大泣きさせていた(笑)
エマ
体高1mくらいのたくましいエマ。人差し指を使ってエマをぎりぎりまで呼び寄せて手を引っ込めようと思ったが間に合わず思いっきり噛みつかれて指の皮がずるっとやられた。
痛すぎて、ここ最近で一番叫んだと断言できるくらい叫んだ!かまれた感触は、薄くて頑丈なプラスチックみたいなクチバシが石を砕く勢いで閉じる感じ。痛いに決まってる。でも、エマにかまれたっていう人には会ったことがないので、旅のネタとして覚えておこう決めた。
オウムの群
この次に向かったのがオウムの部屋。4種類100匹くらいいる部屋の中に入って飛び交うオウムの観察することができた。意外だったのはそれだけの数のオウムがいても基本的に同じ色同士でしか集団にならないこと。
フクロウ
最後に見たのはフクロウ。器用に片足立ちで居眠りしている大好きなメンフクロウを拝顔できて、テンションMAX!!日本のふくろうカフェで出会って以来、気に入っていたので嬉しかった。
下の写真のフクロウは、何度も今にも飛びそうな格好をしていたのに、一度も飛ばなかったのが心残り。
楽しすぎて、3時間以上いてしまった
バードパークに行く前は1~2時間で回るつもりだったけれど、実際に行ってみると楽し過ぎて3時間以上滞在してしまった。記事には載せきれなかった種類の鳥もたくさんいたし、綺麗な蝶々が放されている部屋もあって、美しいものが好きな大人が楽しめるような空間だった。
おすすめは、休憩所やレストランで食べられるおいしいアサイーのシャーベット。大きなボールで出てくるけれど、さわやかなのでペロリと平らげた。
なお、くれぐれも触れる距離にエマがいても指を出さないでください。シャレにならない痛さです。ちなみに、エマにかまれたあと、オウムにも同じ指をかまれそうになった僕は、学習能力をどこかの海に落としたようです。
おわり。
(取材・写真・文/祭灯俊龍 編集/浅倉彩)