File no.2
笹川美希さん 29歳
食品卸の会社で営業アシスタントをしていたという笹川さん。小柄で可愛らしい印象だが、どこか強い意志を感じられる女性だ。ちょうどメンバーのミーティングがあるとのことだったので同席させてもらったが、前日に寄港したマプト(モザンビーク)の話になると、目をきらきらさせながら話す姿が印象的だ。
もともと動物や世界史に興味があったという笹川さん。大学卒業後、食品卸会社に就職したものの、自分の好きなことにチャレンジせずに、このまま仕事を続けていて良いのだろうかという迷いがあったそう。
ピースボートの存在はもともと知っていたそう。
30歳を間近に控えていたこと、自身の興味のある国々に寄港できる南航路であったこと、何より「好きなことをやりたい!」という熱意が彼女を突き動かした。「人生を賭ける、と言ったら言い過ぎかもしれませんが、人の心が動かされるような仕事をしたかった」と彼女は言う。
30歳を間近に控えていたこと、自身の興味のある国々に寄港できる南航路であったこと、何より「好きなことをやりたい!」という熱意が彼女を突き動かした。「人生を賭ける、と言ったら言い過ぎかもしれませんが、人の心が動かされるような仕事をしたかった」と彼女は言う。
トラベラーズ・ボートのメンバーには船に乗る一週間前にスタッフから誘われたとのこと。自分と同じような意志を持つメンバーと話をしたいという気持ちと、自分で何かを表現したり、情報を発信したりする側にまわってみることも良い経験だと思い、挑戦することに決めたという。
メンバーとして参加して一ヶ月が経とうとしているところだが、船内新聞などに記事を書いたりすることも増えてきたとのこと。もともと本を読むのが好きだったということもあって、文章を書いて人と共有できる楽しみがある、と笹川さんは嬉しそうに話す。とても前向きに見える笹川さんだが、理系の分野があまり得意ではなかったということもあって、過去には進みたい方面への進路を諦めてしまったという過去も持つ。
船上では地球大学やトラベラーズ・ボートのメンバーとしての仕事、水先案内人との交渉など、忙しく過ごしていることが多いという笹川さん。「ちょっとでも気になったら乗ってみるといいよ、と言いたいです」と乗船を検討中の人たちにむけてメッセージをくれた。
「乗船したからといって人生が変わるといったそんな甘いものではないけれど、何かのきっかけにはなるのではないか」。そう話す彼女の目線の先には、自ら進むべき道が見えているようだ。
「乗船したからといって人生が変わるといったそんな甘いものではないけれど、何かのきっかけにはなるのではないか」。そう話す彼女の目線の先には、自ら進むべき道が見えているようだ。
(文/大門美奈 写真/大門美奈、片岡和志(船体写真))