「なるようになれ!」
遺書を書く勢いで飛び乗ったピースボート
浅野 ピースボートに乗ったきっかけは退職です。看護師として働いていたのですが、私が務めていた病院はとても忙しかったので疲れてしまって…。もう続けられないなと思って辞めました。せっかくなので「この機会にしかできないことをやろう!」と。それで、ピースボートに乗って世界を一周することにしました。
――ピースボートのことは知っていましたか?
浅野 何となく知ってはいましたけど、ちゃんと理解はしてなかったですね。どちらかと言うと、「船で世界一周って大丈夫かな」くらいに思っていました。それでちゃんと調べようと資料請求してみたら、応対してくれたスタッフの方が偶然にも中学校の先輩だったんです(!)。高校生のときは一緒にバイトもしていた先輩で、本当にビックリしました。この先輩の存在がピースボートの怪しい感じを払拭してくれたので、安心して乗り込むことができました。
――不安はなかった?
浅野 もちろん、なくはないです。人見知りなんで「4人部屋って、うまくやっていけるだろうか…」とか。でも、ワクワクの方が圧倒的に大きかったですね。もともとは海外旅行とかそんなに興味があるタイプじゃなかったのに、本当に世界一周に行くんだと思ったら、もう楽しみで仕方がなかったです。まぁ、仕事で追い詰められて疲れきっていた時期なので、「なるようになれ!」っていう半ば自暴自棄なところがあったのも否めないですが…。私にとって未知の世界に行くわけで、これは何があってもおかしくないなと思っていました。それこそ遺書を書いていこうかっていうくらいの勢いで(笑)。
――不安に該当するような出来事は何かありましたか?
浅野 ちょいちょい船酔いになったくらいで、あとはずっと楽しんでました。あ、1回迷子になりましたね。そこで初めて知ったのですが、私は地図が読めなかったらしく、フィンランドで個人行動をしたときに帰り道が分からなくなって、帰船リミットぎりぎりになったことがあります。あの時は慌てました。
帰船リミット
寄港地ではオプショナルツアーに参加せずにひとり、または仲の良い人たちと数人で自由行動をとることもできるが、決められた時間(帰船リミット)までに戻れないと置いてけぼりになってしまうので要注意。すべての寄港地で事前に帰船リミットを案内している。