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人生初海外で地球一周!レユニオン島【ピースボートの旅ブログ】
ピースボート第93回クルーズは、南半球を船でめぐる世界一周の旅。本シリーズ「ピースボートの旅ブログ」では、仲間とともに船上生活や寄港地トリップを楽しんでいる真っ最中のパッセンジャーが、世界に飛び込み、自分の目で見て、こころで感じたあれこれを綴ります。

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かねごんこと金子真さん(23)は、大阪出身の関西人。大学進学を機に沖縄に移住し、帰国後は海でライフガードとして働きながら教師を 目指すことを決めています。「将来、生徒にやりたいことをやれって言いたいけど、自分自身がしてないことに気づいた。」というかねごんは、大学2年生のときに本で知って書いていた「人生でやりたいこと100のリスト」の一番上にあった「世界一周」をしようと決めました。

人生初の海外旅行で世界一周をすることになったかねごんが、各国での珍道中をレポートします。

 

ユーロ探しとフランス語

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ユーロがないため、土産物屋には目もくれずバス停へと向かうと、両替所を見つける前にバス停についてしまった。
 
ダメ元でドルでの支払いができないか聞いてみたが断られたので、改めて両替所を探すことにした。バス停のおじさんが話すフランス語はもちろんわからないので、とりあえず指を指していた方角へ歩く。そこに銀行があったので、キャッシュカードでお金をおろそうとしてみたが、できない・・・。
 
ここでは英語が通じたので、エクスチェンジ?と聞いてみた。すると、銀行のお姉さんは、「首都のサン・ドニにしかない」と言う。一気に窮地に立たされた。バスニモ乗レズ。ユーロニモ替エラレズ。タダタダマチヲ歩クダケデ、コノ旅ガ終ワルノカ…。

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ユーロ探しと行き先
2人で20ユーロを握りしめての貧乏旅行が始まったのだが、バスに乗ろうとしたその時、葛藤に襲われた。それは、先日マルールー岬で途絶えた「インド洋の島々で海・岬巡り」というプランを再開するかどうかである。レユニオン島で一番美しいビーチがあるサン・ジル・レ・バンに行くには、両替所のあるサン・ドニと反対方向のバスに乗らなければならない。つまり、このバス停で両替か海を選ばなければならないのだ。
 
お土産選びと食事を楽しむためにサン・ドニへ行くか、両替所がなければ2人20ユーロでバス代とご飯とお土産を賄わなければならないサン・ジル・レ・バンに行くか。
 
相方は上手くいかない旅路にやけになり、行き先は自分の判断に委ねられた。金と海を天秤にかけた結果…海が勝った。ご飯よりも土産物よりも海を選んだ。この選択が後々の旅路を狂わせていくのであった…。

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海と引き換えに得たもの①
迷いに迷った末、「島で一番美しいビーチ」を目指してサン・ジル・レ・バンへ向かうことに。サン・ジル・レ・バン行きのバスを切符売り場のおじさんに教えてもらい、バスへと乗り込む。終点に着いてバス停を降りると、そこは「サン・ポール」だった。
 
近くにいた女性に聞くと、親切に乗り換えを待つバス停まで案内し、ここで違う路線のバスに乗り換えるんだと教えてくれた。S3という路線のバスが直行便だったので、そこでバスを待つことにした。1時間経っても来ない。空腹と時間の無駄遣いに苛立っていると、二人の強面のお兄さんが笑顔で話しかけてきた。

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何を言っているのか、まったく分からない。とりあえず握手を求められたので恐る恐る握手をした。言葉のいらないスキンシップで心が通う。お兄さんはひたすら話しかけてきた。これは英語ではなく、フランス語では?以前フランス人の友人に教わったことのある「お元気ですか?」を言ってみた。…が、伝わらない。フランス語?スペイン語?など聞いていくとクレオール語を喋っているとことが判明した。
 
未知の領域である。会話ができるわけがない。しかし、お兄さんがあまりにも飛び切りの笑顔で話してくるので、こちらも何とかして話したい。と思い、相手が発する言葉を繰り返して、相槌を打ったりしていた。
すると、お兄さんがこれなら伝わるだろうという顔で何かを指さしている。…ハトだ。ハトを指さして「ピジョン!ピジョット!マル!」と言っている。ポケモンをしていた経験から、ハトをピジョンと言うのだろうということが一瞬で理解できた。彼はピジョンを指さし、頭を指して小さいというジェスチャーをしながら何やら話している。…ハトの頭が小さいということだろうか?すると「female(女性)」という聞きなれた単語が出てきた。そうか!ハトの頭が小さいやつはメスなんだ!これが初めての彼との会話であった。お兄さんも伝わったことが嬉しかったのだろう。色んなことを話してきたが残念ながらピジョンの話以外なにも理解できなかった。結局彼らはケータイで調べた日本語「コンニチハ」だけを言い残し、去って行った。
 
…バスを待ち、海と引き換えに得たもの。それは、ハトの雌雄の見分け方だった。

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海と引き換えに得たもの②
結局3時間待ってもS3のバスが来ないので、街へ引き返すことにした。船旅では船へと帰る門限があるため、時間と戦わなければならないのが難点である。こんなことならサン・ドニに行ってうまい飯とお土産でも買えばよかったと思ったが、後の祭り。泣く泣く帰りのバスへ乗り込むと、入れ違いでS3のバスがやってきた。
なんで今やねん。と思いながらもバスに揺られること数十分。街へと辿り着いた。手元にあった20ユーロはバスの往復4ユーロ×2人分とフランスパンのサンドイッチ2.8ユーロに消えて、街に着くころには9.2ユーロとなっていた。

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何か飲み物でも飲もうか、スーパーで買い物しようか。と思いきや、店はすべて閉まっている。レユニオンの店の多くは昼休みが二時間ほどあるのである。今日はとことんついていない日だ。と思っていたところ、一軒の出店が服を売っていたのでウィンドウショッピングをすることにした。店の店員に声をかけられたので「8ユーロしかない」と伝えたところ英語が伝わり、「18ユーロ?80ユーロ?」と聞き返されたので「いいえ、8ユーロです」というと、「えぇ!?8ユーロ」といって笑われた。8ユーロで買える服はありますか?などと話しているといつしか仲良くなった。店員のお兄さんはモーリシャスに服の工場を持っており、店の服はすべて手作りだという。レユニオンに進出し、今ここで商売を行っている。日本の生地にとても惹かれていて、とある生地を探しているとのこと。
 
自分たちが先日モーリシャスのグラン・べに行ったことを伝えると兄弟がそこに住んでいるからまた来るときは色んな場所を案内するよと言われた。彼もいずれ日本に生地を探しに来たいのでその時は案内してくれないか?よければ友達になろう!と言われ、facebookでつながることになった。彼はとても陽気で魅力的だったので、二人の全財産9.8ユーロのうち8ユーロを使い、彼の服を買うことにした。

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…こうして、海と引き換えに8ユーロの服と友情を得た。

 

旅の醍醐味とは…。
散々で最高な一日を味わった。自然や絶景を楽しむ旅もいいけれど、トラブルと人との出会いこそが醍醐味だと信じたい。

 

(取材・写真・文/金子真 編集/浅倉彩)