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インタビュー
2020/07/10
INTERVIEW Vol.24
日月美輪
HIDUKI Miwa

「動き続けたから、答えが出た」-世界で活躍する日本画家・日月美輪に聞く答えの導き方

PROFILE
hidukimiwa
日月美輪
京都在住の日本画家。国内外の個展やグループ展で積極的に作品を発表している。
作品のメイキング動画をアップしている自身のYouTubeチャンネルの登録者数は2.8万人。
2015年12月~2016年3月の第90回クルーズに乗船。

>日月美輪 オフィシャルホームページ
>日月美輪 Youtubeチャンネル
少し前にタイムラインをにぎわせた動画、「【FF7R】日本画家が本気でクラウド書いてみた」。ゲームキャラクター×日本画という斬新な組み合わせに衝撃を受けた人は少なくないでしょう。絵の技術もさることながら、日本の伝統的な絵画を知らなかった層に日本画の良さを伝える動画として話題になっていました。
作者は国内外の個展やグループ展で積極的に作品を発表をしている日本画家・日月美輪さん。そんな彼女が抱えていた絵の悩みを吹っ切れたのは、ピースボートでの旅の経験が大きく影響しているそう。日本画に込める思いや旅の思い出について伺いました。

>日月さんの乗船直後のインタビューはこちら

日本の伝統品をYoutubeを通して広めたい

ー日月さんのYouTubeチャンネル登録者数2.8万人はすごいですね…!日本画の制作過程が見れてとても興味深かったです。
日月「たくさんの方にYouTubeを見てもらってるのが本当にありがたいです。YouTubeのコメントなどを見ていると、自分が日本画に関わっていている中で当たり前だと思っていたことが世の中の人からしたら意外と当たり前じゃないんだなっていう事に気がついたんです。なので、これからは日本画を始めとして、それに関わる和紙や掛け軸など日本の伝統品についてもYouTubeを通して広めていきたいです。」
ー日月さんは「日本画家」ですが、日本画を始めたきっかけはなんですか?
日月「絵=油絵というイメージを持っていたので、小さい時から油絵をやりたいと思っていたんです。しかし高校の時に芸大受験対策のデッサンをしていたら、先生に『君のデッサンは日本画向きだ』と言われたんです。その時はその意味が全然分からなかったし、ずっと油絵を描きたかったので芸術大学の油絵コースに進学しました(笑)。でも私の入学した芸大には他コースの授業を受けられるシステムがあったので、せっかくならと思って興味本位で日本画コースを受けてみたんですね。そこで、日本画がすごく良かった!…と思ったわけではないんですよ(笑)。ただ、『この人に教えてもらいたいな』と思う先生との出会いがあったので日本画コースに転科しました。それが全てのはじまりです。」
ー日月さんは海外の展示会に参加されていることもありますが、海外の方は日本画を見てどんな反応をされますか?
日月「例えば何度か参加した台湾のアートフェア(複数のギャラリーが参加する展示会)では、びっちり描き込んで主張!というよりも日本画らしい余白のある感じを好まれる気がして、台湾の人は日本人と感性が似ているのかなと思いました。また、日本画は岩石から作った顔料や、動物から作った膠(にかわ)などの天然素材を主に用いて絵を描くんですね。なのでヨーロッパの方では自然環境やサスティナビリティの観点に対する関心が高いからか、絵だけでなく材料に強く関心を持って貰うことが多い印象です。」
ー日月さんの絵は「花」のモチーフが登場することが多い印象ですが、何か理由はありますか?
日月「船に乗る前は、自分と自分の描く絵の良さとか強みがまったく分からなくて、自分に全然自信がなかったんです。なので、何を描いてもモヤモヤしていた時期があって。そんな時にふと、花って人間みたいだなと思ったんです。個性があるし、それぞれが必ず良さを持っている。赤いバラは赤いバラ。あるがままの姿で美しいと言われるから『なんでお前は白くないんだ!』って怒られることも無い。そんな風に、自分を含めた人間を花に置き換えることで、悩みが減ったんです。だから、花を描くことが多いんですけど、私の感覚的には人を描いている感じですね。」

悩んでいるより行動しよう

ー日月さんはピースボートの90回クルーズに参加されていますが、このクルーズに決めた理由は何かありますか?
日月「私何か悩み事がある時は、悩むよりも行動するタイプなんですよ。ピースボートの乗船を決めた時も、絵の事とか今後のことにすごく悩んでいて。ぐじぐじ悩んでるくらいなら世界中旅して環境を変えてみようと思ったんです。『旅行にまとまったお金が必要だから働かなきゃ』って目標を決めたらバリバリ働けるし、仕事を一生懸命やっていたらその間って悩まなくて良いじゃないですか。
そんな感じで旅に行くことを決めて、イースター島をはじめとして南米やアフリカに行ってみたかったので、南回りの90回クルーズを選びました。」
ー日月さんはピースボートの船内新聞にイラストを描かれていたんですね。似顔絵や風景などを繊細なタッチで描かれているのがとても素敵です…!これは何をきっかけに描き始めたのですか?
日月「私が絵を描いているっていうことを知ったスタッフから声をかけて貰ったのがきっかけですね。実は、それまでの人生でずっと絵を描いてきたので、乗船前は旅の間は絵を描くことから離れてみようと決めていたんです。でもスタッフの人に『描かない?』って聞かれた時に『うーん…やっぱり描きたい!!!』と思ってしまったんです(笑)。この出来事で、私はやっぱり絵を描くことが好きで離れられないんだなと分かったので、絵に対する悩みも吹っ切れました。」
ー前回のインタビューでもおっしゃっていましたが、絵の悩みの解決の糸口を旅の中で見つけられたんですね!下船後に作品の変化などはありましたか?
日月「作風が大きく変わったとかはないんですけど、絵に向き合う自分の気持ちはすごく変わったので、それが作品にも滲み出てるかもしれません。
さっきも少しお話しましたが、私は本当にずっと自分に自信がなかったんです。でも、のんびり船に揺られて世界を回って、その旅の中で色んな人に出会って、訪れる寄港地でのびのびと好きなことを描いた絵を見る中で「こうあるべき」っていう正解はないことに気がついたんです。自分ではなかなか見つけられなくても、自分の中にも絶対いいところがあるから心配しなくてもいいや。自分の好きなことをやれば、おのずと自分の良さが伸びるはずだ、と信じて描けるようになりました。」

悩みを解決するヒントは全て旅の中に

ー普段から旅に出ることが多いとお聞きしましたが、旅のどんなところが好きですか?
日月「気持ちをリフレッシュできるのはもちろん、悩んだときに視点を変えたり、新しい物を吸収するきっかけになったりするので好きです。何かある度に旅に出ているので、人生で旅がなかったら生きていけないです(笑)。」
ー日月さんは旅の中でも画廊を巡ってたくさんの絵と出会ったそうですが、印象に残っている絵はありますか?
日月「この絵という作品単位では無いんですけど、チリのバルパライソの街ですね。階段とか壁とか車とか、街のいたるところに沢山絵が描いてある街です。
 船に乗る前に悩んでいたことの一つが、絵はレストランなどと違って生きるために絶対必要なものじゃない…自分が絵を描くのは自己満足なんだろうか、絵を描くことに意味なんてあるのか…ということでした。そんなことを悶々と悩んでいたんですけど、自分には絵しかないので描くのを辞めるわけにもいかないという葛藤があって。
バルパライソの絵は作者もタッチも色使いも全部バラバラ。文化人が愉しむ芸術というよりも生活のすぐそばで生きている絵という感じだったんです。そんな街を歩いていたら、それまで高尚だと感じていたアートのイメージが壊れて、もっと身近なものでいいんだと思えるようになりました。絵というものを難しく捉えすぎていた自分の考えがほどけた街なので、バルパライソはすごく印象に残っています。」
ー旅の中で絵に対する迷いがほどけたとおしゃっていましたが、改めてピースボートの良さは何だと思いますか?
日月「船旅っていう経験そのものも良いし、寄港地のチョイスも良いですよね。ピースボートじゃないと一生行かないような所にも行くじゃないですか。その一生行くかどうかの所に一度訪れる経験がその後の人生を変えることもあると思うんです。
良かったことは色々あるんですけど、私にとって一番良かったのは人との出会いです。寄港地で出会った人々の存在も大きいですが、ピースボートに乗ってる人たちってみんな何かを決断して実行してきた人たちなんですよ。会社を辞めたとか、世界中どこにいても仕事ができるようにリモートワークの体制を整えたとか、大学を休学したとか、周囲の反対を押し切って乗船したとか。自分も決断をして船に乗ったので、そういう自分と似ている人やエネルギーを持って行動している人と出会って濃く関われたのはすごく良かったです。なので今でも連絡を取り合っている人が多いです。一生の友達ですね。」
ー乗船を悩んでいる人に何かメッセージをお願いします。
日月「乗るかどうかを悩んでいるなら、迷うのに時間をかけるよりも乗っちゃったほうが良いですよ!ただ、乗ったら人生が変わる!みたいな大きい期待をして乗るのは少し違うかなとは思います。ピースボートは様々なものを得る一つのきっかけだと思うので、そこで出会ういろんなことを楽しんでいたら自然と何か見つかったりするんじゃないかと。なので、乗ると決めたら気楽に楽しんだらいいと思います。」
(取材・写真/鷲見萌夏 写真提供/日月美輪)
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