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コラム
2017/05/23
COLUMN Vol.19
浅倉 彩
ASAKURA Aya

その先にあるのは南極だけ。世界最南端の街ウシュアイアの旅~トラベルライターの世界一周 船旅日記~

PROFILE
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浅倉 彩(トラベルライター)
エディター、フォトライター、クリエイティブプランナー。東京と沖縄を拠点に世界で活動中。スローフードユースネットワーク東京共同代表。(株)TABIPPOとピースボートのコラボ企画「TRAVELERS BOAT」の船上編集長として、第93回クルーズに乗船。
南半球を一周した、第93回ピースボートクルーズの旅コラム!
ピースボート第93回クルーズは、横浜を出港して53日後、世界最南端の街に錨を下ろしました。
その先にあるのは南極だけ。同じアルゼンチンながら、首都ブエノスアイレスから5日間もの長い航海を経てたどり着いた最果ては、パタゴニア連峰に抱かれるようにしてある小さくてかわいい街でした。
寄港地のひとつとして初めてその街の名前を聞いたとき、「氷の妖精のおまじないみたい」だと思ったことを覚えています。

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港を出てすぐのところにあるツーリストオフィスでもらえる世界最南端証明書。そこにも書かれている、その名はUSHUAIA-ウシュアイア-。添えられている「FIN DEL MUNDO」はスペイン語で「世界の果て」を意味します。

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ウシュアイアに滞在中、何度も目にしたFIN DEL MUNDO。数少ないスペイン語のボキャブラリーにひとつ不思議なワードが加わりました。

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さて、このウシュアイアでは、世界最南端の列車に乗って、世界最南端郵便局に行き、家族に手紙を出してからパタゴニアスタイルのラムステーキを食べました。
ピースボート第93回クルーズの寄港地に名を連ねていなかったら、わざわざ行くことはきっとなかったであろうウシュアイアの旅は、一瞬、一瞬が旅らしさにあふれて。記憶に残る1日になりました。

最南端の街で世界最南端証明書をもらう

首都ブエノスアイレスもそうでしたが、同じアルゼンチンのウシュアイアでも、街にいる人々はヨーロッパ系の顔立ちをした方がほとんど。素朴で可愛らしい笑顔にたくさん出会えました。港を出てすぐのところにあるツーリストオフィスでは、世界最南端証明書に手書きで名前を書いてくれます。お姉さんの笑顔から溢れ出る歓迎ムードにほっこり。

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世界最南端列車で世界最南端郵便局へ

街なかでタクシーを拾い、15分ほど走って世界最南端電車の駅へ。高原に建つログハウスのような趣です。

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中にはすごく雰囲気のあるカフェあり。時間があれば半日ぐらい、ゆっくり列車を待ちながら、本でも読みたい場所です。

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路線図が、こんな素敵なドローイングで描かれていました。

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列車の扉は手動式。ドアノブをひいて、ギギギと音をたてるドアから中へ。こぢんまりとしたつくりで、小人になって鉄道模型の世界に入り込んだよう。

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ホームを発車するとすぐに、小川の脇を走り始めます。

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電線とつながって電気で走る日本の電車とは、音や風情がまるで違っていました。本物の「汽車ポッポ」は、雄大な山と野原の風景に溶け込みながら、ティエラ・デル・フエゴ国立公園の中をゆっくりゆっくり、進みます。

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池、草原、木立、山肌が次々に繰り返し現れます。どこを切り取っても絵になる美しさ。そして、まったり草を食む野生の馬。ここはいったいどこのおとぎの国でしょう。妖精や小人が出てきても、驚かなかったと思います。

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途中の駅で、記念撮影タイム。行きは1時間ほどかけて、途中駅で停車しながら進み、帰りは30分で元きた道を戻ります。

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終着駅から20分ほど歩くと、湖にせり出した桟橋に世界最南端郵便局がありました。

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小屋の中では、多くの人が手紙を書いています。壁にはマグネットや絵葉書のお土産物がところせましと。

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わたしも両親に宛てて。意外にも、2週間ぐらいで届いたようです。

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白いヒゲのおじいさんがスタンプを押してくれました。

世界最南端ラムは、まるごと開いて焚き火で直火

街に戻ると、時刻は15時頃。この時間、レストランは軒並みランチとディナーの間の営業時間外。開いているのを発見できた唯一のレストランは、有名なカニではなく、焚き火のまわりでぐるぐるまわるパタゴニアスタイルのラムを出すお店でした。

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ところが、これが忘れられない食体験となったのです。なぜかといえば、日本で暮らす私は、ラムといえばラムチョップしか知らず、開きといえばアジの開きしか知らなかったから。パタゴニアスタイルでは、子羊を開きにして、焚き火のまわりでじっくり焼く。こんな豪快さってあるでしょうか。世界は広い。

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表面の皮がカリカリになり、余計な脂が落ちるまでじっくり直火焼き。

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すぐそこで焼いたラムが、ザクザク切られ、豪快に盛り付けられて運ばれてきました。

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皮は見たままの香ばしさ。脂身は味わい深くさっぱりとして、赤身の部分はジューシーなまま。骨についたそれらを、手で持ってがぶり。ラム観が完全に覆されました。パタゴニアの山男たちは、焚き火を囲みながらこんな美味しい肉を食べているのか!と、否応なく想像がふくらみます。

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世界の果てで、こんなに美味しいものに出会えるとは思っていませんでした。世界じゅうの美味しいものが集まる美食華やかなりし東京でも、「焚き火で直火焼きしたラムの開き」は味わえないはず。ああ、また、食べたい。

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世界最南端の都市ウシュアイアは、人口約70000人という小さな街でありながら、風景と食で旅人をうっとりさせてくれる、とても素敵な場所でした。なお、物価は高めで、鉄道の運賃や食事代など全部含めると1日遊んで10,000円ほどかかりました。日本からの距離は約17,000kmと、途方もない遠さ。気軽には行けないからこそなおさら、忘れられない思い出になりそうです。
(取材・文/浅倉彩 写真/浅倉彩、祭灯俊龍)
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