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コラム
2016/12/28
COLUMN Vol.4
浅倉 彩
ASAKURA Aya

半日でこってり楽しめた!36歳の上海街歩き~トラベルライターの世界一周 船旅日記~

PROFILE
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浅倉 彩(トラベルライター)
エディター、フォトライター、クリエイティブプランナー。東京と沖縄を拠点に世界で活動中。スローフードユースネットワーク東京共同代表。(株)TABIPPOとピースボートのコラボ企画「TRAVELERS BOAT」の船上編集長として、第93回クルーズに乗船。
現在、航海中の第93回クルーズからピースボートの旅コラムを更新中!
ピースボート第93回クルーズ、最初の寄港地は上海だった。
事前準備は、上海ナビというサイトをちょこっとクルージングした程度。
予備知識はほぼないままタクシーに乗り込み、とりあえず豫園(よえん)という観光地を目指した。

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中国経済の1/3を占める国際都市と聞けば、カタコトなら英語も通じてしまうし、東京とのギャップを楽しみたい身からすれば、拍子抜けするぐらい小綺麗なんだろうと思っていた。ひょっとしたら、free-wifiなんかは東京よりも進んでいたりして。

ところが。

それなりに旅をしてきた36歳の白けた期待が一掃されるぐらい、上海はあくまでも上海だった。

地下鉄を乗り継いで名所をめぐるなんて、いかにもエラーが起きそうなことは面倒なのでしない。
道端で売っている謎の食べ物を食べてお腹を壊す通過儀礼は、10代の頃に済ませた。
シンプルに美味しい、本場の小龍包とか中国茶とかお酒とかお肉を、とはいえ東京ではできないかたちでいただきたい。

そんなわがままな欲望を、上海はちゃんと叶えてくれたのだ。

そこで、たったの7時間で想定外の大満足となった上海街歩きの足取りを、主に上海に興味のないみなさんにシェアしてみたいと思う。

13時10分 人民広場で上海在住の大学同級生と落ち合う(①)
13時15分 地下鉄駅で買い食いしたエッグタルトの美味しさに驚く(②)
13時45分 同級生が「いろいろ食べ歩いた中で一番美味しい」と太鼓判を押す小龍包を完食(③)
13時50分 小龍包から歩いて1分程度のホテルで行列のできる蝶の羽パイを買う(④)
13時55分 人民広場駅から地下鉄に乗り込み、カルフールへ。
14時15分 カルフールに到着。中国経済の活力源を目撃する。(⑤)
14時50分 カルフールを出てタクシーで中国茶が試飲しまくれるというスポットへ
14時55分 到着。そして耽溺(⑥)
17時05分 中国茶の迷宮から脱出し、徒歩で路上飯エリアへ
17時50分 路上飯の多様性に目をみはる(⑦)
18時50分 新疆ウイグル自治区のクラフトビールと伝統料理を出すレストラン「XIBO」へ(⑧)
20時15分 旧友と再会を誓い、タクシーで港へ。

①人民広場の上海博物館前で上海在住の大学同級生と落ち合う


中国の通信環境下では、googleやLINEがつながりづらい。それ以前に、free wifiはあるものの中国の通信社の携帯電話番号登録が必要だったりして、全く使えない。(某スタバでもダメ)前日までに待ち合わせ場所や時間を詰め切れなかったため、船を出る直前に送った場所指定のメッセージが届いたかどうかわからず、最悪会えないことも覚悟しての再会は喜びもひとしおだった。

なお、上海博物館は入り口がふたつあり、あまり待ち合わせに適さない。会う前に受信できなかったが、同級生が提案してくれた誰でもネットが繋がるラディソンホテルのロビーがベストだったと思う。

>>ラディソンホテル

②地下鉄駅で買い食いしたエッグタルトの美味しさに驚く

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人民広場から目当ての小籠包屋さんへ歩く道すがら、地下鉄人民広場駅の構内を通る。ちょっとしたおやつなどを売る小ぎれいなポップアップショップが並ぶ中、同級生が「エッグタルトはここのが美味しいから」と指差したエッグタルト屋さんでエッグタルトを購入。36歳(F)にとって、女友達の「ここのが美味しい」は最も信頼できるスイーツ情報源なのだが、やはりその言葉に嘘はなく、本当に美味しかった。

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味と香りに卵がしっかり存在している、プリンと呼んでもいいような濃厚なカスタードクリームを、サックサクのパイ生地で全方位的に包んである定番スイーツ。ふたくちみくちで食べ終わるサイズ感もいい。

>>LILLIAN BAKERY

③同級生が「いろいろ食べ歩いた中で一番美味しい」と太鼓判を押す小籠包を完食

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行くと決めていた「佳家湯包 黄河路店」では、同級生が食べ比べ比で一番旨いと太鼓判を押す小籠包を。薄皮の中で豚のお肉と蟹のお肉がミックスされていた。

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店内から見える小籠包ライブクッキング。丸める人、伸ばす人、包む人。神業的スピードで小籠包が量産されていた。
よく取り沙汰されるスープが溢れ出すタイプのものよりもスープの量は控えめだが、その分あんがゴロリと大きく、豚肉と蟹肉そのものの旨味が味わえる。甘酸っぱい生姜とポットに入ったタレの絶妙な調合具合は本場の貫禄。ビンからストローで飲む豆乳は甘すぎず料理を邪魔しない。ゴクゴク飲んで、食べて、満腹。

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④小籠包から歩いて1分程度のホテルベーカリーで行列のできる蝶の羽パイを買う

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地下鉄へ移動しようと駅へ向かうと、行列を発見。午前中にひとりでうろついてたときもいくつか行列を見かけた。上海人は、美味しいところには並ぶらしいので、行列を見つけて食べ歩く旅も楽しいかも。蝶の羽パイは、持ち歩いているうちにほろほろと崩れてしまったほど繊細でふわふわ。甘すぎずバターの香りが芳醇で、コーヒーブレイクにぴったりだ。きれいなまま日本へのお土産にするには厳しいけれど、持ち帰ってホテルの部屋で食べるのにとてもオススメできる。

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⑤カルフールで中国経済の活力源を目撃する。

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日本進出の失敗が話題になったフランス資本のスーパー「カルフール」。中国ではしっかりシェアを獲得したらしく、地下鉄中山公園駅真上のショッピングモールに店を構えていた。
ここから写真でご覧いただくのは、生鮮食品エリアの野性味あふれる品揃え。

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生きているカエルやスッポン、目玉ごと乾かした豚の顔の皮まで。

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日本国内でも、たとえば沖縄では、豚の顔の皮や海蛇の燻製がローカルな公設市場では売られている。が、大型スーパーでは売られていない。カルフールにあるということは、よほど日常的に食べるものなのか。

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これだけ多彩な生き物からパワーをもらっている中国の人たちに、生命体レベルで恐れ入った。一見の価値ありだ。

>>カルフール中山公園駅店

⑥中国茶試飲し放題スポット「天山茶城」へ

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お茶の城と書いて「茶城」。入るときは一見何の変哲もないグレーのビルだったが、出てきたときには日が落ちてライトアップされていたこともあり、「中国4000年の粋ここにあり」と、ビル全体が輝いて見えた。

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ここは、何十種類もの茶葉や茶器を売る店が集まる問屋街。1~3号楼まであるビルに中国茶専門店がぎっしり詰まった、その名に恥じないお茶の城だ。とはいえ、通路や階段などの共有スペースや各店舗の店構えはいたって地味。

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しかし、ひとたび店内に入って茶器の前に座ると、喧騒に満ちた都会にいることを忘れるほどお茶の色と香り、試飲用のお茶を淹れるお姉さんの所作に没入できる悦楽の時間が始まる。

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茶葉を売るお店ではどこも、茶器を温めたお湯や一煎を捨てる排水機能付きの台が用意してあり、その上であれこれと試飲させてくれる。2軒で2時間ほどいただろうか。観光客相手の商売ではないからか、売り込みは一切なく、友達の家にお茶をしにきたような感覚で時間を忘れる。

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1軒目では、ミルクの香りがする烏龍茶を量り売りしてもらい、2軒目では生茶と熟茶、2種類のプーアール茶と、白茶を試飲した。

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2軒目は、円板状に成形されて経年発酵されたヴィンテージものと見られるプーアール茶中心の品揃え。いかにも高そうで手が出なかったが、お姉さんから教えてもらった「喝茶、讓身心感覚很愉悦(お茶は心と体をハッピーにしてくれる)」という素敵な言葉を、記憶にとどめて上海土産に。ちなみに、英語はあまり通じない。身振り手振りと、漢字を表示したスマホ画面を見せ合ってコミュニケーションをとった。
ちなみに、ピースボートに戻ってから中国語と英語のわかるスタッフに聞いたところ、中国語の「愉悦」は英語の「grateful」と似たニュアンスだそう。中国人のお茶に対する豊かな感性が感じられる。

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⑦路上飯の多様性に目を見張る

天山茶城から徒歩圏内に、路上飯屋が立ち並ぶエリアがある。おなかを壊すのが怖いから食べないけど、見るだけで楽しいので見に行った。

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ストリードフードには、不思議な力があると思う。

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道端にいながらにして、目の前で調理が見られるライブ感もさることながら、一坪にも満たない空間で次々に食事を生み出し、腕ひとつで人々の腹を満たすことを生業にしている店主たちの佇まいからは、「人間が生きている」という圧倒的なリアリティを感じる。

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上海でも、それぞれに違うメニューを専門的に出す小商いの主たちの、たくましく生きる顔やをたくさんみることができた。

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散策したのは地下鉄婁山関路(ロウシャンガンル)駅直上の交差点にある大型デパート「雁金百貨」を右手に見ながら進んだ先のエリアだ。

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⑧新疆ウイグル自治区のクラフトビールと伝統料理を出すレストラン「XIBO」へ

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大都会の醍醐味は、その国の津々浦々から美味しいものが集まっていること。ということで、晩餐の場所は、中国の西の果て、新疆ウイグル自治区の伝統料理とクラフトビールがいただけるレストランを選んだ。

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先ほどまでのカオスなローカル感とは打って変わり、シンプルモダンにデザインされた空間に、西洋人やアラブ人など多様な人種の人々が宵を楽しんでいた。
新疆ウイグル自治区は、東にモンゴル、北にカザフスタンとキルギス、西にタジキスタン、南にカシミール地方と5つの国と地域と接する国境エリア。

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メニューには、中華料理の面影を残しつつ、アラブやインドなどの食文化が色濃く反映されたミクソロジーが並び、どれも見たことも食べたこともない。新疆ウィグル自治区のクラフトビールの白と黒を注文した後、2人はメニューから一瞬も視線を離さず「全部美味しそう!」と何度も絶叫。最高にテンションが上がった瞬間だった。

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このレストラン、大当たりだ。旅先で、特に有名ではないレストランを当てた時の喜びといったらない。迷いに迷って、「特色菜品」というリストにあった炭火焼きナスのスパイスマリネと、炭火焼きラムチョップのスパイス添え、クミン風味のハッシュブラウンに絞り込んだ。

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この時ばかりは、大食いタレント並みの胃袋を欲したことは言うまでもない。食べられなかったメニューを食べに、近い将来、上海を再訪したい。

>>XIBO

ピースボートの旅は続く。ほんの12時間程度の滞在で後にした上海だったが、その時間は十分に濃厚だった。旅の興奮冷めやらぬまま、 OCEAN DREAM号は次の寄港地、シンガポールに向かって上海宝山国際ターミナルを後にした。

いかがだっただろうか?行く前の私と同じように「上海なんてわざわざ行かなくても」と思っている人がいたら、週末トリップの候補地として検討してみてほしい。

LCCなら羽田―上海が最低運賃29,000円~、所要時間片道4時間程と気軽に行けるわりに、思わぬパワーがもらえるはずだ。

(取材・文・写真/浅倉彩)

 

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